Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate

Aozora Bunko

「まあ嬉しい」

「まだあるよ……黒油の美玄香」

「それがいけない、いつも落ちが悪いから」

「あんまりいまいましいから、ついこんなものを求めて来る気になったのさ」

「何が、そんなにいまいましいの」

「いつになったら浮気がやむのか、気が揉めてたまらないから、せめてこんなものでも見せつけたら、少しは身にこたえるかと思って買って来た」

「かわいそうに」

「ちぇッ、いやになっちまうなあ」

福村は、じれったい様子をして見せる。

こうして見ると二人は、まるっきり夫婦気取りです。先代の神尾主膳に可愛がられて妾となり、今の神尾主膳の御機嫌をとり、そのほかに肌合いの面白そうな男と見れば、相手を嫌わない素振を見せる女だから、時の拍子で、もうこの男とも出来合ってしまったのか知ら。そうでなければ、何かに利用するつもりで、いいかげんに綾なしているのかも知れない。

「どうも有難う、これだけはこっちへいただいておきます、これはそっちへ」

といってお絹は、錦絵と仙女香とを受取って、美玄香だけを、わざと福村の方へ押しつけると、福村は、

「そんなものはいりません、早く飯が食べたいのです」

「いま、食べさせて上げるから、おとなしくしておいで」