Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
あの女はどうしている。まだ鐘撞堂新道の相模屋にいるはずだが、そうだとすれば今晩もここへ稼ぎに出ているかも知れない、と思って米友は、河岸の柳の蔭、夜鷹の掛小屋をいちいち覗いて歩きました。
けれども、お蝶らしい女を発見することはできないで、腐れた肉を貪る有象無象の浅ましい骸を、まざまざと見せつけられたに過ぎません。
あれだけの容貌を持ち、あれだけの心立てを持ちながら、あの境遇に甘んじて、それを抜け出そうともしない女の心が悲しい。
そこを過ぎ去って、杉の森稲荷から郡代屋敷、以前女が殺された所、盲法師の弁信とお蝶とが連れ立って通りかかった時、自分はムクと共にあちらから駈けつけて見たけれど、その人は煙の如くに消えてしまった。
あの身体で、あの目で、夜な夜な人を斬らねば眠れなかったその人もどこへか行ってしまった。その翌日病み疲れた枕辺に立って――地団太を踏んでみたけれど、彼はどうしてもその人を憎む気になれなかった――沈勇にして大人の風あるムク犬は今も無事で、それでも魂の抜けた主人を守っているのだろう。さて顧みれば四辺に全く人はない。今時、今の刻限、このあたりを独り歩きするの危険、それは米友だって知っている。