Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate

Aozora Bunko

「それはよかったね」

「そんなに遠いところじゃないのよ、ここから十五六里ぐらいのものでしょう。茂ちゃん、お前は足が達者だし、わたしは眼が見えないけれども、旅をすることは平気だから、十里や二十里はなんともありゃしないね」

「十里や二十里、なんともないさ」

「それじゃお前、今夜、人が寝静まってから逃げ出すことにしようよ。先生はお帰りになるかならないか知れないけれど、どちらにしてもあの通り酔っぱらっておいでなさるから、夜中に眼をおさましなさるようなことはないけれど、国公さんに気取られないように気をつけて下さい」

「ああ」

「そのつもりで、あたしは草鞋をちゃあんと買っておきました、少し大きいけれども、茂ちゃん、お前もこれをお穿き」

「有難う」

「お小遣は、あたしが持っているのを、お前にも分けて上げるよ」

「有難う」

「裏のくぐりから出ることとしましょう。夜中に、あたしが時分を見計らってお前を起すから、それまではゆっくり休んでおいで」

「ああ、あたいはそれまで休んでいるけれど、弁信さん、お前寝過ごしちゃいけないよ」

「大丈夫」

「弁信さん、お前の前だけれどね、あたいはお寺はあんまり好きじゃないのよ、清澄にいる時だって、ずいぶん頑入にいじめられたからなあ」