Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
「きっと?」
「きっとですとも」
弁信法師も言った通り、お雪も年ごろの娘であるのに、あまりに無邪気です。自分が愚かなるが故に無邪気なのではなく、人を信ずるが故に無邪気なのです。人を信ずるの深きは、つまり己れの心の純なる所以でしょう。
「それではお約束をしましたよ、雪ちゃん、その心持でお休みなさい」
大小をこころもち前の方へ置いて、机竜之助は枕につきました。
「ここから風が入るといけません」
お雪は竜之助のために、枕の間の夜風を、夜具の襟で埋めてしまおうとした途端、ゾッとして唇の色まで変りました。
しかし、べつに夜具の中に鬼も蛇も棲んでいるわけではない。蝋のように白い竜之助の寝顔を見た時、はじめて、「姉を殺したのはこの人だ」と言った弁信法師の言葉が、ハッと思い当ったからでしょう。
弁信法師のいうことは、上は碧落をきわめ、下は黄泉に至るとも、あなたの姉を殺したものがこの人のほかにあるならばお目にかかる――それは途方もない出放題。
弁信さんは、時々ああいうことをいい出すからいけないのだ。
もし、あの弁信さんが今晩ここにいたら、あの人だから、何をいい出すまいものでもない。