Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
ゆかず、呼びとめる縁故もありません。
やむなく、相当の時間と茶代とを置いて、この立場を出立しました。四人はいい合わさねど忌々しい面をしている。
峠の上の立場――五条源治を素通りした竜之助の一行は、やがて、いのじヶ原の一軒家へかかろうとする時分に、後ろから、
「おおい」
と呼ぶ声。
その声を聞くと駕籠の中のお雪が、まず恐怖に打たれました。
「おおい」
二度呼ぶ声。久助は聞かないふりをしていると、堪りかねたお雪が、
「久助さん、おおい、おおいって、呼んでいるのは、あのさむらいたちじゃありませんか」
「そうかも知れねえ」
「なんだか、気味の悪い人たちですね、麓でも、わたしの駕籠をジロリジロリと見ていました、いそぎましょう」
「急ぎましょう」
急ぐといって、ここは下りに向った塩尻峠ではあるが、見通しの利く野原の一筋路。
もし隠れるとすれば、いのじヶ原の真中に、屋根に拳石を置いて、中で草鞋を売る一軒家があるばかりです。
「おおい」
と三たび呼ぶ声。この声に竜之助が聞き耳を立てました。
「うるさい奴等だ」
「何でしょう、あのおさむらいたちは?」
久助が心配する。そこで期せずして三人がひっかかりました。