Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
「そいつはなかなか大事だった……」
「大事にもなんにも、浄瑠璃や祭文で聞くお半と長右衛門が逃げ出したのなんぞより事が大きいでがすから、町の役人たちも騒ぎました」
「やれやれ」
ここまで聞いてみると、どうやら、がんりきの胸が穏かでなくなりました。大名のお部屋様を嗾かして来たという、だいそれた色師の腕が憎いと、そういうところに妙な反抗心を持つこの男は、その憎い仇の面を見てやりたくなる心持で、
「そうして、お爺さん、その色敵は首尾よくつかまったのかえ」
「ところが、つかまらねえんでがす、たしかにこの府中の町へ入ったはずなのが、どこをどうして逃げたか、いっこう行方がわからなくなってしまいましたんで」
「おやおや」
がんりきとしては、首尾よく逃げ了せたその果報者をますます憎い者に思って、また一面には、さがしに来たやつらの腑甲斐なさを、腹のうちで嘲っていたが、なんだか腹の中が無性に穏かでない。
「それで何かえ、そのお妾を盗まれたという殿様はいったい、どこの何という殿様だか、それを聞いて来なすったか」
「それが、その酒井様の……」
「ナニ、酒井様?」
「ええ、出羽の庄内の酒井様」