Classici giapponesi con furigana
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てんさいけいまい
天才兄妹
野村 胡堂
Leggi 天才兄妹 (てんさいけいまい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9891 caratteri · 20 schermate
言葉は通じなくとも、音楽の解る人であったら、私はきっとその人とお友達になれるような気がしたのです」
芸術家らしい感激が、こう語るうちに、幾久雄の立派な顔を輝やかしく染めます。
「有難う、そう言って頂くと本当に嬉しい、こんな場所で、重ね重ね失礼ですが、貴方のお名前を伺うことは出来ませんでしょうか――私の忙しい旅の思い出にいたし度いと思います。――私はポーランドの近くの小さい小さい国に生れた、フランツ・ベーカーと申す者で、祖国を離れて、こう旅から旅へ、世界中を飛歩るくのが私の仕事です」
西洋人の顔にも、人懐かしさと、やるせなさが、ほのかに動きます。
「有難う、ミスター・ベーカー、私は立花幾久雄と申すヴァイオリンひき、これは信子と言って、私の本当の妹でもあり、私の大事な伴奏弾でもあります」
「お、お、よく知って居ります。近頃天才兄妹として有名な、立花幾久雄さんと信子さんというのはあなたでしたか、それはいい方にお目にかかりました」
「そう仰しゃられると、極りが悪くなります」
「何処か演奏旅行のお帰りででも? ……」
「いや、軽井沢に居る友人を訪ねて来ました、非常に悲しいような、その癖この上もなく嬉しいような事件で――」