Classici giapponesi con furigana
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「ダブックウ」ひょうりゅうき
「太平洋漏水孔」漂流記
小栗 虫太郎
Leggi 「太平洋漏水孔」漂流記 (「ダブックウ」ひょうりゅうき) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.264 caratteri · 37 schermate
ここに、独木舟に乗って入りこんだ、人間がいると仮定しよう。渦は、毎時周縁のあたりが三十カイリの速さ。そして、ぐるぐる巡りながら最初の島までゆくのに、どう見積っても半日は費る。するとそれまでに、その人間の命が保つかどうかということが、まず第一の問題になってくる。僕は、医者じゃないが、受け合い兼ねますといいたいね」
「分ったよ」
私はメモを置いて、落胆したように彼をみた。
「なるほど、人間の生理状態が一変しないかぎり、『太平洋漏水孔』へはゆけないと云うことが、分った。だが、そんな工合で人間がゆけなくてだね、そこに奇談もなにもないものは、聴いても仕様がないよ」
すると、折竹がいきなり童顔をひき締めて、オイと、一喝するように呶鳴った。
「おいおい、話というものはしまいまで聴くもんだ。僕が、何百、何十万年秘められていたかもしれぬ『太平洋漏水孔』の大驚異――それを話そうと思う矢先、早まりやがって……」
「そ、そうか」
「それみろ。とにかく『太平洋漏水孔』のなかに何かしらあるらしいことは、君に作家的神経がありゃ、感付かにゃならんところだ。といって、僕が往ったわけじゃない。