Classici giapponesi con furigana
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うしのうたちょうめんをきおくりょくでかきもどしたひと
失うた帳面を記憶力で書き復した人
南方 熊楠
Leggi 失うた帳面を記憶力で書き復した人 (うしのうたちょうめんをきおくりょくでかきもどしたひと) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2901 caratteri · 6 schermate
、うろうろ涙の悔みを聞いて、道春手をうち、われいつぞや一睡さめての後、かの帳をくり返し、さらさらと一通り披見せしが、その帳の付け自然と心に止まり、今もって忘るることなし、(中略)まず何にもせよ書いてみん、ひらさら帳をとじよとて、しきりに催促せられければ、是非なく紙を差し出だす。道春筆を執って、何月何日何貫目、何屋誰へ、縮緬五巻、晒し五反、代幾何、何某誰殿へ、使い誰と、一字一点毛頭まで、うの毛ほども違いなく、両手に提げる大帳を半日ばかりに書きしまい、これでも銀にならぬかと、空嘯いておわしければ、家城大いに肝を潰し、絶入するほど我を折りけり。まことに羅山の記臆古今に稀なり。『古文類聚』などをば、暗に覚えて語られける、云々」(元禄十五年板『元禄太平記』七巻一章)。
このほかに水戸義公父子を離間せんと謀って、義公に手討にされた藤井紋太夫にも、同上の逸話あるを何かで読んだが、その書名を忘れた。天保八年の自序ある日尾荊山の『燕居雑話』一に、その幼時親交した老人の話に聞いたとて、むかし読書好きの法師が、酒屋で飲みがてら、側らにあった懸け帳を披閲したが、はるか後にかの酒屋類焼して懸け帳を亡失し、かの僧に語ると、僧しばし小首を傾け、やがて筆取って、おのれが見たほどの酒の貸し高を、一つも洩らさず書いて取らせた由を記しおれど