Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Leggi 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.739 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

所謂やくざ者が追っかけて来て、藤波金三郎とお染の二人を人知れず殺害し、その死骸をそっと取棄てたのではあるまいかという疑です。

幾日かの懊悩の後、私は到頭秋田へ行って見る決心をしました。

が、それは私のような忙しい者には容易のことではなく、小牛田事件のあってから一ヶ月目、世の中がすっかり夏になって、東北の旅が魅力を持つようになってから果すことになりました。

ところが、不思議なことに秋田在には藤波金三郎の云った、国木田という家も、藤波という家も見当らず、まして三十七年前に日本を去った金三郎や、六十になって自分の名さえ忘れたような、お染婆さんの所在などは、全く捜しようは無かったのです。

秋田在と云っても非常に広い上にお染婆さんの家の姓も、村の名さえ聴かなかったのは、何んとしても取返しのつかない失策でした。

私は散々捜し抜いた揚句、諦め切れない心持で、大曲から黒沢尻に出、小牛田の駅前の宿屋に泊ったのは、東京を発ってから七日目の夕刻でした。宿屋の老番頭を呼んで、身分不相応の茶代をはずんで、一ヶ月前此処へ泊ったに違いない、不思議な老恋人達のことを訊ねましたが、老番頭は全くその様な心当りはないと云い切るのです。