Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きぞくひがん

奇賊悲願

海野 十三

Leggi 奇賊悲願 (きぞくひがん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9375 caratteri · 19 schermate

Aozora Bunko

「兄貴、今からでも出かけますぜ」

と、貫一は胸へ手を突込むと、愛用のピストルをつかみ出して、畳の上へ置いた。

烏啼は、その方をちょっと睨んだだけで素知らぬ顔で話をすすめる。

「貫一。この仕事はお寺さまから仏像を盗みだすんだ」

「えっ、仏像を……」

「仏像といっても、けちなものじゃない。いずれ準国宝級のものだ。こういう風変りな仕事をおっ始めたわけは、近頃の坊主どもの中には悪ごすい奴がだんだん殖えて来やがって、生活難だの復興難だのに藉口して、仏像を売払う輩が多くなった。まさか本尊さまを売飛ばすわけには行かないが、それと並べてある割合立派な仏像を、いい値で売払いやがるんだ。途方もねえ坊主どもだ。そこでおれの調べたところによると、これからいう五体の仏像はとりわけ尊いものばかり、それを売り飛ばしにかかっている坊主の先廻りをして、お前にこっちへ搬んで貰うんだ。どじを踏むなよ、いいか」

「へえ。それは又変った仕事だねえ」

「五つの寺の所在と、さらって来る仏像の名前とスケッチは、この紙に書いてある。さあ、これをそっちへ渡しとくぜ」

烏啼は懐中から書付を出して、貫一の方へ差出した。