Classici giapponesi con furigana
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ようそうき
妖僧記
泉 鏡花
Leggi 妖僧記 (ようそうき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 5972 caratteri · 12 schermate
と巨なる鼻を庭前へ差出しぬ。
未だ乞食僧を知らざる者の、かかる時不意にこの鼻に出会いなば少なくとも絶叫すべし、美人はすでに渠を知れり。且つその狂か、痴か、いずれ常識無き阿房なるを聞きたれば、驚ける気色も無くて、行水に乱鬢の毛を鏡に対して撫附けいたりけり。
蝦蟇法師はためつすがめつ、さも審かしげに鼻を傾けお通が為せる業を視めたるが、おかしげなる声を発し、「それは」と美人の手にしたる鏡を指して尋ねたり。妙なることを聞く者よとお通はわずかに見返りて、「鏡」とばかり答えたり。阿房はなおも推返して、「何の用にするぞ」と問いぬ。「姿を映して見るものなり、御僧も鼻を映して見たまえかし。」といいさま鏡を差向けつ。蝦蟇法師は飛退りて、さも恐れたる風情にて鼻を飛ばして遁去りける。
これを語り次ぎ伝え聞きて黒壁の人々は明かに蝦蟇法師の価値を解したり。なお且つ、渠等は乞食僧のお通に対して馬鹿々々しき思いを運ぶを知りたれば、いよいよその阿房なることを確めぬ。
さりながら鏡を示されし時乞食僧は逃げ去りつつ人知れず左記の数言を呟きたり。
「予は自ら誓えり、世を終るまで鏡を見じと、然り断じて鏡を見まじ。