Classici giapponesi con furigana
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ようば
妖婆
Leggi 妖婆 (ようば) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.473 caratteri · 73 schermate
悪あがきは思い止らっしゃれ。」と、猫撫声を出しましたが、急にもう一度大きな眼を仇白く見開いて、「それ、それ、証拠は目のあたりじゃ。おぬしにはあのため息が聞えぬかいの。」と、今度は両手を耳へ当てながら、さも一大事らしく囁いたと云うのです。新蔵は我知らず堅くなって、じっと耳を澄ませましたが、襖一重向うに隠れている、お敏のけはいを除いては、何一つ聞えるものもありません。すると婆は益々眼をぎょろつかせて、「聞えぬかいの。おぬしのような若いのが、そこな石河岸の石の上で、ついているため息が聞えぬかいの。」と、次第に後の箪笥に映った影も大きくなるかと思うほど、膝を進めて来ましたが、やがてその婆臭いが、新蔵の鼻を打ったと思うと、障子も、襖も、御酒徳利も、御鏡も、箪笥も、座蒲団も、すべて陰々とした妖気の中に、まるで今までとは打って変った、怪しげな形を現して、「あの若いのもおぬしのように、おのが好色心に目が眩んでの、この婆に憑らせられた婆娑羅の大神に逆うたてや。されば立ち所に神罰を蒙って、瞬く暇に身を捨ちょうでの。おぬしには善い見せしめじゃ。聞かっしゃれ。」と云う声が、無数の蠅の羽音のように、四方から新蔵の耳を襲って来ました。