Classici giapponesi con furigana
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おばけのこえ
妖怪談義
柳田 国男
Leggi 妖怪談義 (おばけのこえ) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7618 caratteri · 16 schermate
富山の町でも夕方をタツチヤエモト、金沢では又イチクレとさえいっているのである。
地方の言語がおいおいに集まって来れば、もう少し説明がはっきりとすることと思うが、今でも黄昏がいかなる時刻であったかは、これだけの材料からほぼ推測し得られる。皆さんがあるいは心づかれないかと思うことは、人の物ごし背恰好というものが、麻の衣の時代には今よりも見定めにくかったということである。木綿の糸が細く糊が弱くなって、ぴったりと身につくような近頃の世になると、人の姿の美しさ見にくさはすぐ現われて、遠目にも誰ということを知るのであるが、夕を心細がるような村の人たちは、以前は今少しく一様に着ふくれていたのである。見ようによってはどの人も知った人のごとく、もしくはそれと反対に、足音の近よるを聴きながら、声をかけ合うまでは皆他処の人のように、考えられるのがケソメキの常であった。そうして実際又この時刻には、まだ多くの見馴れない者が、急いで村々を過ぎて行こうとしていたのである。
鬼と旅人とをほぼ同じ程の不安を以て、迎え見送っていたのも久しいことであった。ところがその不安も少しずつ単調になって、次第に日の暮は門の口に立って、人を見ていたいような時刻になって来た。