Classici giapponesi con furigana
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いもうとのし
妹の死
中 勘助
Leggi 妹の死 (いもうとのし) di 中 勘助 (なかかんすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8837 caratteri · 18 schermate
母屋からはずっとはなれて昔のお城の濠にじかづけにたってるので、静でもあれば、珍しいも珍しい。水の幅は一町ばかり、いちめんの蓮のほかに水葵と蒲かなにかごちゃごちゃに茂って浮き草が敷きつめたようになっている。風の日には吹きよせられたあとに水があらわれて鮒が鼻をならべてるのがみえる。白い蓮の花の咲きみちてるのはこうごうしいものである。蕾はさきのほうだけほんのりとあかい。陣笠をあおむけたような葉がま夏の日光を湛えかねてゆらゆらとゆれている。巻葉も美しい。雨の日はもっとよい。雨あしのすきまなくみえるのも、蓑笠の人などゆくのも。鯉、すっぽん、鰻もたくさんいる。もとは菱くいや鶴など人をもおそれず群れてたという。私はこの面白い離れが気にいって、たびたびいっていつまでもはいってるようになった。
妹は昼のうちはうとうとしてるが夜になると頭が冴えて眠られない。そしてみんながよく寐てるのに自分ばかりひとり目をさましてるのが寂しく、また体も苦しいのでひとをおこしてはむずかる。私もそばに寐てるのだが私だけはおこそうとしない。それは私がたとえ心ではどう思おうとも手を出してまではなにひとつしてやったためしもなく、する気づかいもないからで、――この傾向はいろいろな理由からその後非常にかわった――私もそれで平気だし、妹のほうでも別段ものたりなく