Classici giapponesi con furigana
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こんきはずれ
婚期はずれ
織田 作之助
Leggi 婚期はずれ (こんきはずれ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8054 caratteri · 16 schermate
三十の声をきいてから永助の頬にはめきめき肉がついてふっくらとし、おまけに商売柄いつも剃り立ての鬚のあとが生々と青かったから、何か年より老けて見えていた。そんな顔を永助は店の間からはいって来て見せると、いまのお客さん何シイに来やはったんやネンと、わりに若い声で訊いた。何もシイに来やれへんぜと、おたかはとぼけて見せ、そして、店エ放っといてええのんか。きびしく追いかえした。永助はこそこそ店へ引きかえすと、職人に代って客の顔を剃り、かねがね理由もなく母親に頭の上らぬ自分の顔をしょんぼり鏡に覗いてみた。そして、貴族院いうたら、あんた、どんな組織イになってるか知ってなはるかと、セルロイドのマスクのかげで執拗く客に問い掛けると、客は露骨にいやな顔した。永助は尋常科を卒業しただけだが、講義録など見るので、却って商売の邪魔になった。
大分経って定枝を貰いに来た。先は小学校の教員で二十九というから、定枝と四つ違いだった。二十五の娘はんやったらしっかりしたはって願ったりかなったりだと、わざわざ定枝の年を有りがたいものにする言い方を仲人はして、つまりはおたかの気性を呑み込んでいた。