Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
」
「お嬢さん、ああですもの。見舞に来て、ちょっと、病人を苛めるものがあって、」
「無理ばっかり云う人だよ、私に理由があるんだから。」
「理由は私にだって有りますよ。あの、過般もお前さんに話したろう。早瀬さんと分れて、こうなる時、煙草を買え、とおっしゃって、先生の下すった、それはね、折目のつかない十円紙幣が三枚。勿体ないから、死んだらお葬式に使って欲しくって、お仏壇の抽斗へ紙に包んでしまってある、それを今日使いたいのよ。お嬢さんに差上げて、そして私も食べたいから、」
とただ言うのさえ病人だけ、遺言のように果敢なく聞えた。
「ああ、そんならそうおしな。どれ、大急ぎで、いいつけよう。」
「戸外は暑かろうねえ。」
「何の、お蔦さん。お嬢さんに上げるんだもの、無理にも洋傘をさすものか。」
「角の小間物屋で電話をお借りよ。」
「ああ、知ってるよ。あんまりあらくない中くらいな処が好かろうねえ。」
「私はヤケに大串が可いけれど、お嬢さんは、」
「ここで皆一所に食べるんでなくっちゃ、厭。」
「お相伴しますとも、お取膳とやらで、」
と小芳が嬉しそうに云う。
「じゃ、私も大きいの。」
「感心、」