Classici giapponesi con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Leggi 婦系図 (おんなけいず) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.760 caratteri · 343 schermate
と最初の一喝に怯気々々もので、申訳らしく独言のように言う。
酒井は、すらりと懐手のまま、斜めに見返って、
「用らないものを、何だって価を聞くんだ。素見すのかい、お前は、」
「…………」
「素見すのかよ。」
「ええ、別に、」と俯向いて怨めしそうに、三世相を揉み、且つ捻くる。
少時して、酒井はふと歩を停めて、
「早瀬。」
「はい、」
とこの返事は嬉しそうに聞えたのである。
三十一
名を呼ばれるさえ嬉しいほど、久闊懸違っていたので、いそいそ懐かしそうに擦寄ったが、続いて云った酒井の言は、太く主税の胸を刺した。
「どこへ行くんだ。」
これで突放されたようになって、思わず後退りすること三尺半。
この前の、原一つ越した横町が、先生の住居である。そなたに向って行くのに、従って歩行くものを、(どこへ行く。)は情ない。散々の不首尾に、云う事も、しどろになって、
「散歩でございます。」
「わざわざ、ここの縁日へ出て来たのか。」
「いいえ、実は……」
といささか取附くことが出来た……
「先刻、御宅へ伺いましたのですが、御留守でございましたから、後程にまた参りましょうと存じまして、その間この辺にぶらついておりました。