Classici giapponesi con furigana
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こどものびょうき
子供の病気
Leggi 子供の病気 (こどものびょうき) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5633 caratteri · 12 schermate
伯母はまだこのほかに看護婦は気立ての善さそうなこと、今夜は病院へ妻の母が泊りに来てくれることなどを話した。「多加ちゃんがあすこへはいると直に、日曜学校の生徒からだって、花を一束貰ったでしょう。さあ、お花だけにいやな気がしてね」そんなことも話していた。自分はけさ話をしている内に、歯の欠けたことを思い出した。が、何とも云わなかった。
家を出た時はまっ暗だった。その中に細かい雨が降っていた。自分は門を出ると同時に、日和下駄をはいているのに心づいた。しかもその日和下駄は左の前鼻緒がゆるんでいた。自分は何だかこの鼻緒が切れると、子供の命も終りそうな気がした。しかしはき換えに帰るのはとうてい苛立たしさに堪えなかった。自分は足駄を出さなかった女中の愚を怒りながら、うっかり下駄を踏み返さないように、気をつけ気をつけ歩いて行った。
病院へ着いたのは九時過ぎだった。なるほど多加志の病室の外には姫百合や撫子が五六本、洗面器の水に浸されていた。病室の中の電燈の玉に風呂敷か何か懸っていたから、顔も見えないほど薄暗かった。そこに妻や妻の母は多加志を中に挟んだまま、帯を解かずに横になっていた。