Classici giapponesi con furigana
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こどものびょうき
子供の病気
Leggi 子供の病気 (こどものびょうき) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5633 caratteri · 12 schermate
「疫痢ではないでしょうか?」「いや、疫痢じゃありません。疫痢は乳離れをしない内には、――」Sさんは案外落ち着いていた。
自分はSさんの帰った後、毎日の仕事にとりかかった。それは「サンデイ毎日」の特別号に載せる小説だった。しかも原稿の締切りはあしたの朝に迫っていた。自分は気乗のしないのを、無理にペンだけ動かしつづけた。けれども多加志の泣き声はとかく神経にさわり勝ちだった。のみならず多加志が泣きやんだと思うと、今度は二つ年上の比呂志も思い切り、大声に泣き出したりした。
神経にさわることはそればかりではなかった。午後には見知らない青年が一人、金の工面を頼みに来た。「僕は筋肉労働者ですが、C先生から先生に紹介状を貰いましたから」青年は無骨そうにこう云った。自分は現在蟇口に二三円しかなかったから、不用の書物を二冊渡し、これを金に換え給えと云った。青年は書物を受け取ると、丹念に奥附を検べ出した。「この本は非売品と書いてありますね。非売品でも金になりますか?」自分は情ない心もちになった。が、とにかく売れるはずだと答えた。「そうですか? じゃ失敬します。」青年はただ疑わしそうに、難有うとも何とも云わずに帰って行った。