Classici giapponesi con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate
岡部少年は刑事の訊問にそう答えたという、「ぼくはかっちゃんが可哀そうでしょうがなかった、はたらきどおしにはたらいて、食う物もろくに食わされなかったんじゃないでしょうか、いつも痩せて眼をくぼませてましたよ、だからぼくはかっちゃんが来ると、大饅頭を買ってやった、ときにはいっしょに妙見様へいって、話しながら喰べたこともあるんです」
少年はかつ子の気持がわからないと繰り返した。かっちゃんはみんなから「がんもどき」とからかわれていたが、少年は決してそんなことは云わないし、誰かがそんなことを云っているのを見ると、中にはいってとめるくらいであった。かっちゃんも少年が好きだったようだ。大饅頭を貰うとうれしそうな顔をしたし、妙見様へさそうといっしょに来て、少しは話もしたのである。それなのにどうしてこんなことをしたのか、どう考えてみてもわからない。かっちゃんはなにか間違えたのではないだろうか、きっとそうにちがいない、と少年は云い続けた。
「ええ、ぼくはなんとも思いません、かっちゃんのしたことでかっちゃんを憎らしいとも思いませんし、恨めしいともくやしいとも思いません」少年はそう云った、「ぼくがなにかしてかっちゃんが罪にならないなら、ぼくはどんなことでもします、あんな物で突かれたのはぼくですし、本人のぼくがなんとも思ってないんです