Classici giapponesi con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate
「これはきみが釣ったのかね」と紳士はきいた、「それとも投網かやなででも捕ったのかね」
「おらあ近県のものでねがす」春彦はたじろぎながら答えた。「これはへえ鮒と鯉で、わしが百姓仕事のあいさに捕ったねがす」
「この鯉はたんぼ飼いだな」
紳士はちょろのいうことなど聞きもせずにいった。実際には、ちょろの言葉がまだ終らないうちに、独りで首をひねりながら発言したのだ。たんぼ飼いとはなんのことか、春彦には理解できなかったが、ほめているのではなく、どうやらけちをつけているらしいので、彼はむっとした。
「冗談いっちゃいけませんよ、旦那、冗談じゃねえ」と彼はいい返した、「よく見ておくんなさい、こいつはれっきとした天然ものですぜ」
「こっちは鮒か、まるで金魚みたようだな」紳士は構わず続けた、「この魚には見覚えがある、印旛沼か手賀沼だな、こいつも飼った鮒だ、近ごろは百姓もしゃれたまねをするようになったからな」
「旦那はお詳しいね」ちょろは戦法を変えた、「旦那のような方にあっちゃかないませんや、そのお眼の高いところでひとついかがです、初あきないだ、お安くしときますぜ」
「ぼくはね、きみ、このほうで専門家なんだ」