Classici giapponesi con furigana
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Leggi 季節のない街 (きせつのないまち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.379 caratteri · 394 schermate
「きみを責めてるんじゃないって云ったろう、きみはいい人だ、きみがあやまることはないんだ」と野本くんは泣き声で云った、「僕たちにあやまるより、きみはあの女を叩き出すべきだ、男同志として云うが、あんな女は」
そこで事態が転回した。野本くんが終りまで云いきらないうちに、島さんが立ちあがってとびかかった。片足が短いとは信じられないほどすばやく、野本くんにとびかかり、押し倒して馬乗りになった。野本くんは肥えてはいないけれども、背丈は高く骨太なので、人並より小柄な島さんが馬乗りになったところは、不安定というよりも反自然な印象を与えた。
「なにを云うんだ、きみはなにを云うんだ」島さんは相手の肩を押えつけながら、吃り吃り叫んだ、「僕のワイフがきみになにかしたんならともかく、なんにもしないからといって叩き出せとはなんだ」
「まあ島くん」と松井くんが云った、「まあきみ、乱暴なことはよしたまえ」
「いいから構わないでくれ」と野本くんは仰向きに押えつけられたままで云った、「島くんの云い分を聞こうじゃないか」
「あれは僕のワイフだ」島さんは歯をくいしばった声で云った、「きみたちには三文の値打もないとみえるかもしれないが、あいつは僕のために苦労してきたんだ、食う物がなくて水ばかり飲むような生活にも、辛抱してきてくれたんだ」