Classici giapponesi con furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Leggi 安吾巷談 (あんごこうだん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.016 caratteri · 48 schermate
酔っ払いの無銭飲食を引ッたててきた酒場のマダムもその傾きがあるが、交番へ人を引ッたててくる人の中には、引ったててくる人物の方がいかがわしい場合が少くないから面白い。交番をめぐる神経、心理というものは微妙にこんがらがったもので、悪党に限って、人を交番へ引ったてたくなるのかも知れん。
二人のアロハのアンチャン、もっともアロハをきているわけではない、リュウとしたニュウルックのダブル、赤ネクタイの二人づれ。酔っ払った労働者をひッたてて交番へのりこんだ。終電に近いころだ。
「切符を買おうとしていたら、こいつがね、酔っ払ってよろけるフリして、ポケットへ手をつッこみやがってね。ほれ、ここにこれが見えるからね。ふてえスリだ」
腰のポケットに何やら買物包みらしいものがのぞけてみえるが、酔っ払ってヒョロ/\と足もとも定まらないようなスリがあるものか。酔っ払いは怒って、
「なに云ってやんでい。よろけて、さわったら、インネンつけやがって」
「なに!」
アロハのアンチャン、交番の中でサッと上衣をぬごうとする。
「ヘエ、ヘエ、すみません」
酔っ払いはわざとペコリとオジギして、呂律のまわらぬ舌で、昔どこかで覚えたらしい仁儀のマネゴトをきった。