Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あんじゅうこん

安重根

谷 譲次

Leggi 安重根 (あんじゅうこん) di 谷 譲次 (たにじょうじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.548 caratteri · 100 schermate

Aozora Bunko

伊藤に対する憎悪と怨恨にのみ、おれはおれの生き甲斐を感じていたんだ。が、考えてみると、それも伊藤が生きていればこそだ。ははははは、ねえ、柳さん、君は伊藤という人間を見たことがあるか。

柳麗玉 いいえ。写真でなら何度も見たわ。

安重根 (急に少年のように快活に)ちょっと下品なところもあるけれど、こう髯を生やして、立派な老人だろう?

柳麗玉 (微笑)ええ、まあそうね。偉そうな人だわ。でも、あたしあんな顔大嫌い。

安重根 僕は三年間、あの顔をしっかり心に持っているうちに――さあ、何と言ったらいいか、個人的に親しみを感じ出したんだ。

柳麗玉 (かすかに口を動かして)まあ!

安重根 ははははは、やり方は憎らしいが、人間的に面白いところもあるよ。決して好きな性格じゃないが――。

柳麗玉は無言を続けている。

安重根 (下の道路に注意を払いつつ)僕が伊藤を憎むのも、つまりあいつに惹かれている証拠じゃないかと思う(間、しんみりと)なにしろこの三年間というもの、伊藤は僕の心を独占して、僕はあいつの映像を凝視め続けてきたんだからなあ。三年のあいだ、あの一個の人間を研究し、観察し、あらゆる角度から眺めて、その人物と生活を、僕は全的に知り抜いているような気がする。