Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
前へ手を突いて平謝りに謝る。私は腹が立つどころか、それを見るともう気の毒に成ってサ……ですから、今度だっても旦那が思い直して下さりさえすれば……ええええ、私は何処までも旦那を信じているんですよ。豊世とも話したことですがネ。私達の誠意が届いたら、必と阿父さんは帰って来て下さるだろうよッて……」
「伯母さん、お化粧するの?」とお房は伯母の側へ来て覗いた。
「伯母さんだって、お化粧するわい――女で、お前さん、お化粧しないような者があらすか」
お雪や子供と一緒に町の湯から帰って来たお種は、自分の柳行李の置いてある部屋へ入って、身じまいする道具を展げた。そこは以前書生の居た静かな部屋で、どうかすると三吉が仕事を持込むこともある。家中で一番引隠れた場処である。お種が大事にして旅へ持って来た鏡は、可成大きな、厚手の玻璃であった。それに対って、サッパリと汗不知でも附けようとすると、往時小泉の老祖母が六十余に成るまで身だしなみを忘れずに、毎日薄化粧したことなどが、昔風の婦人の手本としてお種の胸に浮んだ。年のいかない芸者風情に大切な夫を奪去られたか……そんな遣瀬ないような心も起った。