Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.748 caratteri · 254 schermate
「時に、銚子を持つ役ですが」と実は稲垣の方を見て、「君の許の娘を借りて、俊と、二人出そうと思いましたがね、それも面倒だし……いっそ雛妓を頼むことにしました」
「その方が世話なくて好い」とお倉が言葉を添える。「雄蝶、雌蝶だなんて、娘達に教えるばかりでも大変ですよ」
「いや、そうして頂けば難有い」と稲垣も言った。「実は吾家でもその事で気を揉んでいました。それから式へ出るのは、私だけにして下さい。簡単。簡単。皆な揃って押出すのは、大に儲けた時のことにしましょう――ねえ、姉さん」
「真実に、そうですよ」とお倉は微笑んで、「私なんか出たくも、碌な紋付も持たない」
「まあ、姉さんのように仰るものじゃ有りません」と言って、稲垣は手を振って、「出たいと思えば、何程でも出る方法は有りますがね――隣の娘なんか借着で見合をしましたあね、御覧なさい、それをまた損料で貸して歩く女も居る――そういう世の中ですけれど、時節というものも有りますからね」
「簡単。簡単」と実も力を入れて命令するように言った。
稲垣は使に出て行った。料理屋へは打合せに行く、三吉の方へは電報を打つ、この人も多忙しい思いをした。