Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かれい
家霊
岡本 かの子
Leggi 家霊 (かれい) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9395 caratteri · 19 schermate
板壁の一方には中くらいの窓があって棚が出ている。客の誂えた食品は料理場からここへ差出されるのを給仕の小女は客へ運ぶ。客からとった勘定もここへ載せる。それ等を見張ったり受取るために窓の内側に斜めに帳場格子を控えて永らく女主人の母親の白い顔が見えた。今は娘のくめ子の小麦色の顔が見える。くめ子は小女の給仕振りや客席の様子を監督するために、ときどき窓から覗く。すると学生たちは奇妙な声を立てる。くめ子は苦笑して小女に
「うるさいから薬味でも沢山持ってって宛てがっておやりよ」と命ずる。
葱を刻んだのを、薬味箱に誇大に盛ったのを可笑しさを堪えた顔の小女が学生たちの席へ運ぶと、学生たちは娘への影響があった証拠を、この揮発性の野菜の堆さに見て、勝利を感ずる歓呼を挙げる。
くめ子は七八ヶ月ほど前からこの店に帰り病気の母親に代ってこの帳場格子に坐りはじめた。くめ子は女学校へ通っているうちから、この洞窟のような家は嫌で嫌で仕方がなかった。人世の老耄者、精力の消費者の食餌療法をするような家の職業には堪えられなかった。
何で人はああも衰えというものを極度に惧れるのだろうか。