Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Leggi 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.259 caratteri · 222 schermate
いや、おどろいたね、これにはどうも。だって二十人あまりこの客ではいつこの私がポキンと腕を折られまいものでもない、さてその折られた腕が再び元どおりにならなかったとてそれこそとんだ「太鼓針」で、相手が日本太郎では喧嘩にもならない。かく思い、かく考えてみてほんとうにその時私は心の底の底のまた底まで青くなって、そこそこに柳水亭の階子段を駆け下りて下足をもらうとまだ土砂降りの往来へと飛び出してしまった、それこそそれこそ恋ある身ゆえに。
かくて二年の歳月相経ち申候。
くわしい経緯は書く必要がないから言わない、意地っ張りの私は意地を張ってその頃人気の頂点にあったその宝塚の女優さんとの婚約を解消し、上方三界を自棄にほっつき歩いていた。宝塚の人と別れたのにわざわざ上方へ漂泊しにいく手はまったくなかったのだが、なぜかその頃私の作品は「苦楽」はじめ「週刊朝日」「サンデー毎日」と上方の雑誌ばかりが歓迎してくれていたので、飛んで火に入る夏の虫みたいだったが、けだしヤムを得なかったのだった。ひどい深酒ばかりしては囃子哀しい法善寺横丁の花月や紅梅亭へ、連夜のようにかよいつめて、せめてもの憂さを、亡き枝雀や枝太郎や春團治の高座高座に晴らしていた。