Classici giapponesi con furigana
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ふじ
富士
岡本 かの子
Leggi 富士 (ふじ) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.579 caratteri · 82 schermate
そしてふた親はいかにあれ、女神があの山の如きであるなら、どうか自分もあの伯母さんのようになり度いものだと、理想をかの山に置いた。
女にだんだんもの心がつき、比較によって自分と他とを評価する力が生れて、福慈岳の評判を聞いてみると、その秀でさ加減はあまりにも自分の資格とはかけ離れたものであった。積といい量といい形といい、もはや生れながらにも及びつかない素質の異りがあると感じないわけには行かなかった。一つ山の眷属の女でどうしてこうも恵まれ方に違いがあるのだろう。女は福慈岳を眺めて、美しさよりぬけぬけとすまし返っているような感じが眼につくようになった。
「お伯母さまが、なにもかにも眷属中の女の良いところのものは一人で持ってらしってしまったのだわ」
うらやましさが嵩じて嫉みともなった。
「だから、あたしのような屑の女も、眷属中にできるのだわ」
そして、ふた親がとかく福慈岳に対して反感を持つような態度であるのは、平凡が非凡から受ける無形の圧迫から来るものであること、また、自分に山の祖神の嫡孫の気位を高く持たせ、それに相応わしい偉れた女に生い立たしめようとするのも、伯母に対するふた親の無意識の競争心から来るものであることを感付かないわけにはゆかなかった。