Classici giapponesi con furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Leggi 富岡先生 (とみおかせんせい) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.282 caratteri · 31 schermate
実は招かれていないのである。大津は何と思ったかその旧師を招かなかった。
「貴様はどうじゃ?」
「大津の方からこの頃は私を相手にせんようですから別に招もしません」
「招んだって行くな。あんな軽薄な奴のとこに誰が行く馬鹿があるか。あんな奴にゃア黒田の娘でも惜い位だ! あれから見ると同じ大学を出ても高山や長谷川は人間が一等上だのう、その中でも高山は余程見込がある男だぞ」
細川繁は黙って何にも言わなかった、ただ水面を凝視めている。富岡老人も黙って了った。
暫くすると川向の堤の上を二三人話しながら通るものがある、川柳の蔭で姿は能く見えぬが、帽子と洋傘とが折り折り木間から隠見する。そして声音で明らかに一人は大津定二郎一人は友人某、一人は黒田の番頭ということが解る。富岡老人も細川繁も思わず聞耳を立てた。三人は大声で笑い興じながらちょうど二人の対岸まで来た二人の此処に蹲居んでいることは無論気がつかない。
「だって貴様は富岡のお梅嬢に大変熱心だったと言いますぜ」これは黒田の番頭の声である。
「嘘サ、大嘘サ、お梅さんは善いにしてもあの頑固爺の婿になるのは全く御免だからなア! ハッハッ……お梅さんこそ可憐そうなものだ、あの高慢狂気のお蔭で世に出ることが出来ない!」