Classici giapponesi con furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Leggi 富岡先生 (とみおかせんせい) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.282 caratteri · 31 schermate
庭先で
「老先生どうかしたのか喃」と老僕倉蔵が声を潜めて問うた。
「イヤどうもなさらん」
「でも様子が少し違うから私又どうかなされたかと思うて」
「先生今何をしておいでる?」
「寝ていなさるが枕頭に嬢様呼んで何か細い声で話をしておいでるようで……」
「そうか」
「まア上って晩まで遊んでおいでなされませえの」
「晩にでも来る!」
細川は自分の竿を担ついで籠をぶらぶら下げ、浮かぬ顔をして、我家へと帰った。この時が四時過ぎでもあろう。家では老母が糸を紡いていた。
その夜の八時頃、ちょうど富岡老人の平時晩酌が済む時分に細川校長は先生を訪うた。田甫道をちらちらする提燈の数が多いのは大津法学士の婚礼があるからで、校長もその席に招かれた一人二人に途で逢った。逢う度毎に皆な知る人であるから二言三言の挨拶はしたが、可い心持はしなかった。
富岡の門まで行ってみると門は閉って、内は寂然としていた。校長は不審に思ったが門を叩く程の用事もないから、其処らを、物思に沈みながらぶらぶらしていると間もなく老僕倉蔵が田甫道を大急ぎで遣て来た。
「オイ倉蔵、先生は最早お寝みになったのかね?」
「オヤ! 細川先生、老先生は今東京へお出発になりました!」