Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate
しかし階下ではちゃんと先生の声がしていて、それがたいていいつも細君だか女中だかにはげしい小言を浴びせかける声であった。やっとの思いで待ちおおせて手術を受ける時間は五分か十分である。そうして短くても一週間は通って毎日このとおりのことを繰り返さなければならないのであった。手術料は毎回払いであったが、いつも先生自身で小さな手さげ金庫の文字錠をひねっておつりを出してくれたのが印象に残っている。
西洋へ行く前にどうしても徹底的にわるい歯の清算をしておく必要があるのでおおよそ半月ほど毎日○○病院に通った。継ぎ歯、金冠、ブリッジなどといったような数々の工事にはずいぶんめんどうな手数がかかった。抜歯も何本か必要であったが、昔とちがってコカインのおかげでたいした痛みはなかった。ただし、左の下あごの犬歯の根だけ残っていたのが容易に抜けないので、がんじょうな器械を押し当ててぐいぐいねじられたときは顎骨がぎしぎし鳴って今にも割れるかと思うようで気持ちが悪かった。手術がすんだら看護婦が葡萄酒を一杯もって来て飲まされ、二三十分椅子にもたれたまま休息することを命ぜられた。自分はそれほどに思わなかったが脳貧血の兆候が顔に現われたものと見える。