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Classici giapponesi con furigana

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あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

と言ったそうである。これから考えても悲哀ということ自身は決していとわしい恐るべきことではなくてかえって多くの人間の自然に本能的に欲求するものであることが推測される。ただ悲哀に随伴する現実的利害関係が迷惑なのである。

悲しくない泣き方もいろいろある。あんまりおかしくて笑いこけても涙が出るが、笑うのと泣くのは元来紙一重だからこれは当然である。しかし感情的でない泣き方もいろいろあるのであって、その一特例としては、疲れたときにあくびをすると涙が出る。あくびをするときのわれわれの顔は手ばなしで泣きわめく時の顔とかなりまでよく似ている。うそと思う人は鏡を見ながら比較してみればわかる。このあくびというのがやはり緊張から弛緩へ移るときに起こる生理的現象であって、とにかく顔面をゆがめ、声は出さなくても呼気を長くつき出し、そうしてぽろぽろ涙をこぼすのである。そうしてさんざんあくびをしたあとのさっぱりした気持ちも大いに泣いたあとのすがすがしいここちとどこか似ているようである。それだから、上手の芝居を見て泣くのも、下手の芝居を見てあくびをするのも生理的にはただ少しのちがいかもしれないと思われる。