Classici giapponesi con furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Leggi 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 194.515 caratteri · 389 schermate
海の「オコゼ」は魚であるのになぜ山の「オコゼ」が貝であるかも不可解であった。
「山オコゼ」がどうして売り物になるか、またそれを買った人がどういう目的にそれを使用するか、という疑問に対して聞き得たことを今ではぼんやりしか覚えていない。なんでも今日のいわゆる「マスコット」の役目をつとめるというのであったようである。たとえばこれを懐中しているとトランプでもその他の賭博でも必勝を期することができるというのであったらしい。もちろんこの効験は偶然の方則に支配されるのである。
「丸葉柳」のほうはどんな物だか、何に使うのか、それについては自分の記憶も知識も全然空白である。
売り声の滅びて行くのは何ゆえであるか、その理由は自分にはまだよくわからないが、しかし、滅びて行くのは確かな事実らしい。
普通教育を受けた人間には、もはやまっ昼間町中を大きな声を立てて歩くのが気恥ずかしくてできなくなるのか、売り声で自分の存在を知らせるだけで、おとなしく買い手の来るのを受動的に待っているだけでは商売にならない世の中になったのか、あるいはまた行商ということ自身がもう今の時代にふさわしくない経済機関になって来たのか、あるいはそれらの理由が共同作用をしているのか、これはそう簡単な問題ではなさそうである。