Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうぎのおに

将棋の鬼

坂口 安吾

Leggi 将棋の鬼 (しょうぎのおに) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4311 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

口論させたり、仲直りさせたり、そういうことが名人なのである。新東海の荒武者もそこまでは御存知ないから、テーブルを三つ離して安心していらっしゃる。ダメである。

東京の将棋指しは升田は弱い弱い云いよるけど、勝ってるやないか、などゝ微酔のうちは私にブツブツ云っていたが、そのうちに泥酔すると、名手が悪手になる、なに阿呆云うとる、阿呆云うて将棋させへん、木村など、なんぼでも負かしてやる、だんだん勇ましくなってきた。木村前名人、酒量は少いが、これも酔ってる。名題の負けぎらい、黙してあるべき、君はまだ若いよ、君より弱くなるほど、まだモーロクはしないよ。俺が強い。ナニ、お前なんか強いもんか。とうとう、離れた席で各々立膝となって、人々の頭越しに怒鳴り合っている。

オレが強い、お前なんか、両々叫び合ったところで、私がなんなくまとめあげて、宿屋へもどる。それから碁を打つ。木村前名人が碁の初段で、升田八段が、あいにくなことに、ちょうどそれと同じぐらいの力量なのである。

そこで又、碁石を握って、オレが強い、お前なんか、すごい見幕でハッシ、ハッシ、升田白番で十目ほど勝った。