Classici giapponesi con furigana
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ちいさきいえのせいかつ
小さき家の生活
宮本 百合子
Leggi 小さき家の生活 (ちいさきいえのせいかつ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8540 caratteri · 18 schermate
それを包んで、彼女を立ててあげようと振舞うような性格に自分は生れ付いて居ない。Aを取るか、母上につくか。
自分は、どうして責任を以て開いた彼の新生活を絶望させられよう。彼が、私一人の愛によって、何が自分を待迎えるか予想もつかない新生涯に這入ったことを思うと、涙が湧いた。此点では、自分も同じだ。もう、母上の憤りと、涙と、哀願によって、愛人を捨てるには、自分は余り一人の人間になって居る。
彼女のヒステリー、私の精神の混乱。Aや父上の忍耐の幾日かの後、到頭、私共は自分等で、別に家を持つことになった。
AはA家の戸主で、移籍が出来得ない。それならば私は、もうA家の者になったのだから、良人の家に移るのが当然であり、Aが、結婚した以上、其位の責任は持つ覚悟だろうと、母上が提議されたのであった。
今、その時分のことを思い出すと、自分は、眼をそむけたいような心持さえする。
何故、母上はあれ程、常軌を逸さずには居られなかったのであろう。あんなに賢明であられても、見る宇宙は小さいものであると思い、同時に、子にばかり縋って、その従順の裡にのみ生活の意義を認めて行かれる態度は、真心からお気の毒に思う。