Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate

Aozora Bunko

「はっ。臣下と致しましては、只もう、只々もう殿の御身が……」

「死は前からの覚悟ぞ!たとえ逆徒の刃に斃れようとも、百年の大計のためには、安藤対馬の命ごとき一毛じゃ。攘夷を唱うる者共の言もまた対馬には片腹痛い。一にも二にも異人を懼れて、外船と交易致さば神州を危うくするものじゃと愚かも甚しい妄語を吐きおるが、国が危ういと思わば内乱がましい内輪の争い控えたらよかろうぞ。のう、多井! 予の考えは誤りか」

「いえ、それを申すのでは厶りませぬ。京都との御約束は何と召さるので厶ります」

「あれか。約束と申すは攘夷実行の口約か」

「はっ。恐れ乍ら和宮様御降嫁と引替えに、十年を出ずして必ず共に攘夷実行遊ばさるとの御誓約をお交わしなさりました筈、さるを、御降嫁願い奉って二月と出ぬたった今、進んでお自らお破り遊ばしますは、二枚舌の、いえ、その御約束御反古の罪は何と遊ばしまする御所存で厶ります」

「そちも近頃、急に年とって参ったよ喃――」

言下に冴え冴えとした微笑をのせると、凛として言った。

「それもこれもみな国策じゃ! 二枚舌ではない、国運の危うきを救う大策じゃ! 内争を防ぐことこそ第一の急、京都と江戸との御仲睦じく渡らせられなば、国の喜びこれに過ぎたるものはなかろうが、御降嫁願い奉ったも忠節の第一、国を思うがゆえに交易するも忠節の第一