Classici giapponesi con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Leggi 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.249 caratteri · 115 schermate
「言うなっ。門七!」
実に奇怪だった。それまで点々としてしょんぼりうなだれていた千之介が、突如面をあげると、何ごとか恐れるように声をふるわせ乍らけわしく遮切った。
「話してはならぬ! やめろっ。やめろっ。あれを喋舌ってはならぬ! 言うのはやめろっ」
三
「なに! 異なことを申したな。何じゃ! 何じゃ!」
きいて当然のごとくに長国が不審を強め乍ら言い詰じった。
「やめろとは何としたのじゃ! あの話とはどんな話ぞ? 千之介がまたなぜ止めるのじゃ」
「…………」
「のう林田。仔細ありげじゃ。聞かねばおかぬぞ。何が一体どうしたというのじゃ」
「いえ、実は、あの――」
「言うなと申すに! なぜ言うかっ」
別人のように千之介がけわしく制したのを、
「控えい! 波野!」
長国がきびしく叱って言った。
「気味の悪い奴よのう! その方は今宵いぶかしいことばかり致しおる。尋ねているのはそちでない。門七じゃ。林田! 主の命じゃ! 言うてみい!」
「はっ。主命との御諚で厶りますれば致し方厶りませぬ。千之介がけわしく叱ったのも無理からぬこと、実は波野と二人してこの怪談を先達てある者から聞いたので厶ります。