Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
「い、い、いけ……」
このまま心臓の鼓動が止まってしまうかとばかり次郎吉はおどろいた。目を白黒した。口をモグモグした。法返しが付かないてのはこのことだろう、自分で自分のからだのどこに何がどうあるか分らないほどだった。夢中でいたり立ったり坐ったりしていたが、やっぱりいつ迄もいつ迄もジーッと立ちはだかったまま睨み付けている義兄の手前何とも型がつかなくなると、てれかくしにまた取って付けたような声音で、
「観自……観自……観自在菩薩」
「い、いい加減にしろ」
堪り兼ねて玄正が、ピューッと握り拳固めて、荒々しく飛び込んできた。その握り拳が、次郎吉には大きいとも何とも畳半畳敷くらいに見えた。
「ご、ごめんなさい」
まだ撲られないうちに次郎吉は目を廻していた。
四
その日のうちにかえされて、それから四、五日家にいると、今度は根津のほうの石屋へ奉公にやられた。
これは親方も江戸っ子なら、お神さんはすぐ近所の根津の中店にいた人だとかで、家中物分りがよかった。やはり江戸っ子で深川の生まれとか人の好さそうな兄弟子が一人いた。
お寺よりかいい。
きた当座、心から次郎吉はそうおもった。