Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

Leggi 少女地獄 (しょうじょじごく) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.174 caratteri · 206 schermate

Aozora Bunko

風采で、診察室の扉を後ろ手に静かに閉めますと、私一人しかいない室内をジロリと一眼見まわしながら立ち佇って、慇懃に帽子を脱って、中禿を巧みに隠した頭を下げました。

軽率な私は、この人物を新来の患者と思いましたので愛想よく立ち上りました。

「サアどうぞ」とジャコビアン張の小椅子を進めました。

「私が臼杵です」

しかし相手の紳士は依然として黒い、冷たい影法師のように突立っておりました。ちょっと眼を伏せて……わかっている……と言ったような表情をした切り一言も口を利きませんでした。そのうちに青白い毛ムクジャラの手を胴衣の内ポケットに入れて、一枚のカード型の紙片を探り出しますと、私の顔を意味ありげにチラリと見ながら、傍の小卓子の上に置いて私の方へ押し遣りました。

そこで私は滑稽にも……サテは唖の患者が来たな……と思いながらその紙片を取り上げてみますと、意外にも下手な小学生じみた鉛筆文字でハッキリと「姫草ユリ子の行方を御存じですか」と書いて在るのです。

私は唖然となってその男の顔を見上げました。背丈が五尺七、八寸もありましたろうか。

「……ハハア。知りませんがね。だまって出て行きましたから……」