Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Leggi 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.234 caratteri · 160 schermate

Aozora Bunko

それに今宵は誰も彼もが羽目を外して燥いでいるのに、どう云うわけか平中はひとり沈んで、自分だけは酒が甘くないと云いたげな様子をしているのであった。

と、時平がそれに眼をつけて、

「佐殿」

と、遠く隔たった席から呼んだ。

「あなたは今日は妙に萎げておられるね。何か仔細があるんですか」

時平の顔にいたずら好きな子供がするような、意地悪な微笑が浮かんだのを、平中は世にも恨めしそうに横眼で見たが、

「いや、そんなことはございませんが、………」

と、強いて苦しそうな愛想笑いを洩らして云った。

「でも可笑しいですね、酒がちっとも行かんようじゃないですか、もっと飲み給え/\」

「十分戴いているのでございます」

「そんなら一つ、得意の猥談でも聴かせ給え」

「御、御冗談を仰っしゃっては、………」

「あッはゝゝゝゝ、どうですか方々」

と、時平は一座を見廻して、平中を指さしながら、

「此の人は猥談と惚気話が頗る得意なんですが、一席こゝでやって貰おうじゃないですか」

「ようよう!」

「謹聴々々!」

と、皆が拍手したが、平中は泣き出しそうな顔をして、

「御勘弁を/\」

と、頻りに首を振るのであった。時平はいよ/\意地悪な笑いを露骨に示して、いつも私に聴かしてくれるのに、なぜ此の席ではやれないのか、聞かれて困る人でもいるのか、どうしてもやらないなら、私が素ッ葉抜くがよい