Classici giapponesi con furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Leggi 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 83.234 caratteri · 160 schermate
が、否み難くなって来るのであった。
「讃岐、………」
と、国経は次の間に控えている筈の老女を呼んだ。これはむかし北の方の乳人をしたことのある、四十あまりになる女で、嘗て讃岐介の妻になり任国へ下って暮すうちに、夫に死なれたので北の方の縁を頼って来、こゝ数年来大納言家に奉公をしているのであるが、大納言にすれば年の若い北の方を娘のように思うところから、どうかした折には此の女房を娘の母親のように思い、夫婦間のことは勿論、家事萬端の相談をしたりするのであった。
「もうお眼ざめでいらっしゃいますか」
と、讃岐はそう云って枕許に畏まったが、国経は顔を夜着の襟に埋めたまゝ、
「うむ」
と一と言、不機嫌に答えた。
「いかゞでいらっしゃいますか、御気分は」
「頭痛がして、胸がむか/\する。わしは二日酔いをしたようだ。………」
「何ぞお薬を持って参りましょうか」
「昨夜は大分過したらしいが、どのくらい飲んだであろうか」
「さあ、どのくらい召上りましたやら。………あんなにお酔い遊ばしたのを、ついぞ見たことはございません」
「そうか、そんなに酔っておったか」
国経はそこで顔を出して、
「讃岐」
と、少し調子を変えて云った。