Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しょうねん

少年

芥川 竜之介

Leggi 少年 (しょうねん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.225 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

蟹や寄生貝は眩ゆい干潟を右往左往に歩いている。浪は今彼の前へ一ふさの海草を運んで来た。あの喇叭に似ているのもやはり法螺貝と云うのであろうか? この砂の中に隠れているのは浅蜊と云う貝に違いない。……

保吉の享楽は壮大だった。けれどもこう云う享楽の中にも多少の寂しさのなかった訣ではない。彼は従来海の色を青いものと信じていた。両国の「大平」に売っている月耕や年方の錦絵をはじめ、当時流行の石版画の海はいずれも同じようにまっ青だった。殊に縁日の「からくり」の見せる黄海の海戦の光景などは黄海と云うのにも関らず、毒々しいほど青い浪に白い浪がしらを躍らせていた。しかし目前の海の色は――なるほど目前の海の色も沖だけは青あおと煙っている。が、渚に近い海は少しも青い色を帯びていない。正にぬかるみのたまり水と選ぶ所のない泥色をしている。いや、ぬかるみのたまり水よりも一層鮮かな代赭色をしている。彼はこの代赭色の海に予期を裏切られた寂しさを感じた。しかしまた同時に勇敢にも残酷な現実を承認した。海を青いと考えるのは沖だけ見た大人の誤りである。これは誰でも彼のように海水浴をしさえすれば、異存のない真理に違いない。