Classici giapponesi con furigana
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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
Leggi 少年連盟 (しょうねんれんめい) di 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.920 caratteri · 219 schermate
「待て待て」
富士男はナイフを出して帆綱を切った。
「ああ、ありがとう」
モコウは富士男の手をかたくにぎったが、あとは感謝の涙にむせんだ。
ふたりはハンドルの下に帰った、だが嵐はいつやむであろうか。
南半球の三月は北半球の九月である。夜が明けるのは五時ごろになる。
「夜が明けたらなんとかなるだろう」
少年たちの希望はただこれである、荒れに荒れくるう黒暗々の東のほうに、やがて一曳の微明がただよいだした。
「おう、夜が明けた」
一同が歓喜の声をあげた。あかつきの色はしだいに青白くなり、ばら色になり、雲のすきますきまが明るくなると、はやてに吹きとばされるちぎれ雲は、矢よりもはやく見える。
だが第二の失望がきた。夜は明けたが濃霧が煙幕のごとくとざして、一寸先も見えない、むろん陸地の影など、見分くべくもない。しかもいぜんとして風はやまぬ。
四人の少年はぼうぜんとして甲板に立った。かれらはいよいよ絶望の期がせまったと自覚した。
そのときモコウは大きな声でさけんだ。
「陸だ! 陸だ!」
「何をいうかモコウ」とドノバンは笑った。じっさい、べきべきたる濃霧の白一白よりほかは、なにものも見えないのである。