Classici giapponesi con furigana
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Leggi 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) di 尾崎 士郎 (おざきしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.032 caratteri · 216 schermate
「だからおれはもっと根本的なことを考えているんだ――」
「根本的なこと? じゃあ、わたしたちはもうほんとうにすっかりわかれてしまうの?」
「そんなことはおれにもわからないさ。兎に角だ、おれはもうこういう話をすることにも疲れているんだ。おれは一人きりになりたい。そしておれの生活をとり戻したいのだ。おれはお前のかげを背負って歩いているようなものだ。お前がおれの敵だったら、おれは未だしも救われるだろう、だが、そうじゃない。おれたちは味方同志だ。憎み合っている味方同志だ。それにこんな古ぼけた痴話喧嘩のテーマを幾つ積みあげたところで同じことだ。お前は何にもおれに遠慮する必要はないのだからな、お前の新しいきずなにとびつけばいい。――こういうときには人間は自分を不幸にすることを恐れてはいけない」
「とんだ御説法だわね。そんなに自分を不幸にしたければ、あなたが御自身で決行なさるがいいわ。あなたは何時だって、自分のことだけしか考えていらっしゃらないくせに」
「おれが?、――なるほど、おれは自分のことを考えているさ。だが、お前がおれよりも以上に自分のことを考えていないと言えるか」