Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Leggi 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.862 caratteri · 57 schermate

Aozora Bunko

何の恨みもない一人の人間を、ただ殺人の面白さに殺して了うとは、それが正気の沙汰か。お前は悪魔に魅入られたのか、お前は気が違ったのか。一体お前は、自分自身の心を空恐しくは思わないのか。

長い間、夜の更けるのも知らないで、調合して了った毒薬の瓶を前にして、彼は物思いに耽っていました。一層この計画を思止まることにしよう。幾度そう決心しかけたか知れません。でも、結局は彼はどうしても、あの人殺しの魅力を断念する気にはなれないのでした。

ところが、そうしてとつおいつ考えている内に、ハッと、ある致命的な事実が、彼の頭に閃きました。

「ウフフフ…………」

突然三郎は、おかしくて堪らない様に、併し寝静ったあたりに気を兼ねながら、笑いだしたのです。

「馬鹿野郎。お前は何とよく出来た道化役者だ! 大真面目でこんな計画を目論むなんて。もうお前の麻痺した頭には、偶然と必然の区別さえつかなくなったのか。あの遠藤の大きく開いた口が、一度例の節穴の真下にあったからといって、その次にも同じ様にそこにあるということが、どうして分るのだ。いや寧ろ、そんなことは先ずあり得ないではないか」