Classici giapponesi con furigana
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さんじょうこ
山上湖
豊島 与志雄
Leggi 山上湖 (さんじょうこ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.912 caratteri · 22 schermate
若い人たちが昇り降りしていた。
その鉄の梯子から少し離れた横手に、私達は腰を下した。断崖の中途に生えてる大木の梢が、すぐ眼前にある。真下は深い淵らしい。その深淵が更に深々と広がって、濃藍色の湖面となり、漣もないほど静まり返っている。こちらは湖中に突き出た半島で、対岸もやはり半島。半島の山には、針葉樹が多く、闊葉樹は紅葉し、代赭色の岩肌が絶壁の中に散見される。それらが、とろりとした湖面に影を落している。その辺の湖心の深さ、三百五十メートルほどもあり、水の透明度は高く、しかも美しい藍色なのだ。
私は身をずらして、断崖の縁のところまで出た。
「危いよ。」と平田は言った。私は彼の眼を見返した。彼も私の眼を見たが、すぐに視線をそらした。
細い灌木の幹を、私は片手で握っていた。身内がぞくぞくして、もし手を離したら墜落するかも知れなかった。だけど、真昼間、すぐ人目につくところで、身投げなどするものか。
「大丈夫よ。今は。」
こちらを向いた彼の眼へ、私はまた言った。
「一人じゃ、いや。」
「分っている。僕も一人きりになるのはいやだ。危いから、こっちへおいでよ。」
「じゃあ、どうするつもりなの。