Classici giapponesi con furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate
と荷を卸して軽々と飛んで行ったが、間もなく戻って来て、おやじの嘉門次が、お客さまを槍ヶ岳と穂高へ案内して、少し足を痛め、小舎(宮川の)に帰ってきょう早くから寝ているという言伝てが、この小舎の人にあったと語る、嘉門次がいなくては、穂高岳から槍ヶ岳つづきの峰伝いは、どうなることやらと、心配しながら、温泉へと急ぐ。
足もとは暗いが、木の梢だけは、夜の空にかっきりと黒く張って、穂高の輪廓は、ボーッと、物干棹でも突き出したように太く見える。私の眼の周囲には、萌黄にぼかされた穂高の峰々が、神経の電線に燃えついて、掻き消されそうもない、私は眼球の上へ、人さし指を宛てて、グリグリとやって見たが、一、二尺の先を見つめるのが精々で、森の梢は、その燃えさかりのの中に、暗を縦横に引っ掻き廻し、入り乱れて手を突き、肱を張っている。
私は幾度となく、首を俛れては、梢の下を潜った、枝は人を見ると、ひしひしと身を寄せかけて、しがみつきそうにする、私は引き締まった、用心ぶかい態度になって、木の葉の呟きも聞き洩らすまいとした、あとから跟いて来る嘉代吉の足音が、ひたひたするだけで、谷の夜空は、猫眼石から黒曜石に変化した、焼岳の願人坊主のような頭が、夜目にも、それと見えたので、心おぼえの橋が近いと思った、星の光が澄み切って、濁りのない