Classici giapponesi con furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Leggi 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) di 小島 烏水 (こじまうすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.795 caratteri · 274 schermate
ようになり、頭は兀々たる花崗岩で、厳粛なる大気の中に、白く晒されている、このように紅緑白の三色をカッキリと染めるのが実に美しいと、温泉宿の主人は、さも惚れ惚れとするように話をしてくれる、私は親友水彩画家、大下藤次郎氏が、ある年七月の初めに、ここへ写生に来て「秋になったら、是非も一度、往って見たい」と幾度も繰りかえしていたことを憶い出した――その大下君は、年の秋を待たずに、この神河内の自然に忠実なるスケッチ数十枚を残して、死なれてしまった。
晴れた日ばかりではない、いま明るいかとおもうと、雲とも霧ともつかぬ水蒸気の一団が、低くこの峡谷に下りる、はじめは山百合の花ほどの大きさで、峡間の方々から咲く、それが見る見るうちに、もつれ合って、大きくひろがると、霞沢岳でも、穂高岳でも、胸から上に怖ろしく高い水平線が出来て、ピタピタと岩壁を圧しつけている、こういうときには、平常緩やかな傾斜を、梓川まで放出して、低く見える焼岳までが、緑の奥行きを深くして、山の線が霧と霧の間に、乱れ打つ、椀を伏せたような阿房峠まで、重たい水蒸気にのしかけられて、黯緑で埋まった